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ブラジル代表らしいアプローチが決め手。サイドと中央、それぞれを崩す術とは?【カタールW杯】

シリーズ:分析コラム text by 西部謙司 photo by Getty Images

決め手となったブラジル代表らしいアプローチ



 相手が圧縮してくることで周囲が空く。この場面ではネイマールの左側にいたヴィニシウス・ジュニオールへのマークが解けている。ネイマールはさらにフェイクを入れてシュートコースを探そうとしたところで、フリーになっていたヴィニシウスが戻ってきてネイマールのドリブルを横取りするようにシュート。GKが弾いたところをリシャルリソンが押し込んだ。

 このゴールはネイマールの密集への突入というブラジル代表らしいアプローチが決め手だった。ネイマールが突っ込むことでヴィニシウスだけでなくリシャルリソンもDFの視野から外れていた。このケースはドリブルで相手を圧縮させたが、リシャルリソンへのクサビも同じ原理といえる。圧縮させて隙を作って破る、ブラジル代表らしい攻め手だった。

 リシャルリソンの2点目は73分、こちらもブラジルらしいゴールだ。左サイドのヴィニシウスが仕掛ける素振りをみせながら右足アウトサイドで中央へ鋭いパスを入れる。受けたリシャルリソンは左足でコントロール。浮かせたボールを反転しながらジャンピングボレーで突き刺した。

 ビーチサッカーのようなアクロバチックなシュートもブラジル的だが、ここで出ている特徴はウイングの優位性だ。

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