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メッシはずっと圧倒的ではない。アルゼンチン代表がズバリと当てたメキシコ対策【カタールW杯】

シリーズ:コラム text by 西部謙司 photo by Getty Images

機能していたアルゼンチン代表のトライアングル



 左SBマルコス・アクーニャの位置が高い。攻撃時は3バックにして左SBを敵陣深く送り込むのは、日本代表戦のドイツ代表のやり方と似ていた。MF左のマカリステルを中へ入れて数的優位を中央部で作るのも同じ。緒戦のレアンドロ・パレデスに代わってボランチに入ったギド・ロドリゲスは3人に可変したDFの前に待機して、ときおり最終ラインに下りてビルドアップを行う。

 前半は各所で激しいデュエルが連発、アルゼンチン代表もメキシコ代表も一歩も引かない膠着した流れだったが、後半から中央部をカバーしきれなくなったメキシコ代表が後退を余儀なくされてアルゼンチン代表が押し込む展開になった。

 64分にメッシが左足一閃の低いミドルを決めて先制。さらに89分にはロドリゲスに代わって入っていたエンソ・フェルナンデスが見事なファーポストへ巻いていくシュートで2-0と突き放した。

 アルゼンチン代表は左のトライアングルがよく機能していた。DFリサンドロ・マルティネス、MFアレクシス・マクアリステル、そしてSBからFW化するアクーニャの3人だ。マルティネスは身長175センチとCBとしては小柄だが、寄せの速さや読みの良さで守備力は高く球際にも強い。そして何といっても左足のフィードが絶品。マルティネスの丁寧なパスが左のトライアングルが機能させていた。

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