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クロアチア代表がモドリッチを疲弊させないために施す工夫とは?【代表プレースタイル図鑑前編】

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サッカー日本代表は現地時間5日、FIFAワールドカップカタール2022ラウンド16でクロアチア代表と対戦する。前回大会で準優勝に輝いたクロアチア代表は、どのようにして現在のプレースタイルにたどり着いたのか。2022年カタール・ワールドカップに出場する32カ国+αの「プレースタイル」に焦点を当て、その変遷を辿る好評発売中の『フットボール代表プレースタイル図鑑』より、クロアチア代表の章を一部抜粋して紹介する。(文:西部謙司)


モドリッチを疲弊させないための工夫

【写真:Getty Images】

 4年前のファイナリストは世代交代しているが、モドリッチがチームの大黒柱であることは変わりない。ラキティッチの代わりにマテオ・コヴァチッチが定着したMFが心臓部となる。

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 モドリッチ、ブロゾヴィッチ、コヴァチッチのトリオは世界でもトップクラスだ。ディフェンスラインは世代交代が進み、大きく入れ替わった。20歳のヨシュコ・グヴァルディオルは現代的な攻守に優れたCBとして注目されている。FWはペリシッチが健在だが、アンテ・ブディミル、ロブロ・マィエルがレギュラーポジションをつかんだ。

 ロシア大会からメンバーが入れ替わったクロアチアだが、何といってもモドリッチが攻守の中心でフィールド上の「監督」である。37歳になっても豊富な運動量と卓越した技術に衰えは感じられないが、モドリッチを疲弊させない工夫はしている。[4-3-3]システムは引いたときには[4-5-1]になるが、モドリッチをトップに残す[4-4-2]での守備ブロックを適宜使っている。

 圧倒的な能力を持つ選手に守備負担をかけすぎない配慮は、アルゼンチンにおけるメッシ、ブラジルのネイマールにも見られるもので、カタール大会の傾向の1つになるかもしれない。

 トレーニング、体調管理、医療の進歩によって選手寿命が延びている。30歳を超えてもピークを維持できる選手も増え、モドリッチもその1人だ。40歳近くまで第一線で活躍してきたスター選手はもともとの能力が高い上に経験値も非常に高い。選手寿命の延びとともにフィールド内外で力を持つ特別な選手が出てきているのだ。

【後編はこちら】頑固なのか柔軟なのか。なぜクロアチア代表には対応力があるのか【代表プレースタイル図鑑】

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【了】

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