フットボールチャンネル

ドイツ代表は策を持っていなかった。サッカー日本代表に感じた面倒くささ【酒井高徳に訊く(2)】

シリーズ:酒井高徳に訊く text by 加藤健一 photo by Getty Images

「ドイツ代表は策を持っていなかった」


【写真:Getty Images】



――ドイツ代表だと誰がそこに入ることになるのでしょうか。

酒井「(ジャマル・)ムシアラだったり(イルカイ・)ギュンドアンだと思うんですよね。でも、たぶんギュンドアンは自分でどうにかしないといけない、チームの状況が良くないというのを一番察知していたと思うんです。本来のギュンドアンってボランチの1つ前にいて、裏を取ったり、ポケットを取りに行ったり、FWの下で動いて前を向いたりというプレーをすると思うんですけど、前半からDFに近かったんですよね。それがすごく気になった」

酒井「そうすると、(ヨシュア・)キミッヒが居心地悪そうになってしまう。1本目のカウンターのときに取られたじゃないですか。ギュンドアンもこのままじゃだめだ、どうにかしなきゃというのがプレーに出ていたと思うんですけど、それが結果的にうまくいかずに(67分に)替えられてしまいました」

河岸「キミッヒとギュンドアンがミスマッチだったと思う。キミッヒのところで普段ではないボールロストが多かったし、そこが狙われていた。ツヴァイカンプフ(1対1)が弱くて、キミッヒらしいパス、背後へのロブパスみたいなのがあまりない。ほとんどボールロストしない人間なはずなのに、日本代表戦ではそれが多かったし、バックパスも多かったね」

――後半に入り、日本代表が3バックに変更しました。試合の潮目が変わったのはどこだったのでしょうか。

酒井「フォーメーションを変えた日本代表のプレスに対し、ドイツ代表は策を持っていなかった。イレギュラーが起きたときの対処も遅かったし、交代で入る選手も、交代の質自体も良くなかった」

――日本代表は57分に三笘薫と浅野拓磨を入れ、71分に堂安律を入れて攻撃的な姿勢を見せました。

酒井「同点にされる前に2、3回、ズーレの方で崩されているんですよ。これはもう1点入るなと思ったら、本当に同じ形で同じサイドからでした」

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top