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なぜアーセナルは降格圏のエバートンに敗れたのか?簡単ではない優勝への道のり【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

アーセナルの懸念点



 エバートンのアグレッシブなサッカーに圧倒されたアーセナルは、前半からの悪い流れを改善しようと、いくつか修正をこなしたが、それが実を結ぶことはなかった。

 後半途中からはレアンドロ・トロサールとジョルジーニョの新戦力2名を投入したが、両者は共にノーインパクトだった。特にジョルジーニョはらしくないパスミスでボールロストするなど、不甲斐ないパフォーマンスに終始し、フィジカルの強い選手が揃うエバートン相手には分が悪かった。

 そしてこの試合を通じて気になったのが選手の“疲労の蓄積“だ。今季出ずっぱりのガブリエウ・マルティネッリとベン・ホワイトのパフォーマンスは、好調時と比較すると明らかに落ちており、ウーデゴールも77分にベンチに下がっていた。

 今季はプレミアリーグとUEFAヨーロッパリーグ(EL)、国内カップ戦、カタールワールドカップとこれまでに経験したことのない過密日程となっており、アーセナルのように前線の選手も猛烈なハードワークが求められるチームの場合はターンオーバーが必須の状況が続いている。ところが今のアーセナルはターンオーバーを回せるほど前線の選手層に余裕がなく、トロサールが加入したことで多少は余裕が生まれたが、選手の蓄積疲労は懸念すべき点だろう。

 年末年始の過密日程が過ぎたかと思えば、3月にはEL決勝トーナメントが始まる。今節のようにプレミアリーグは19位のチームであっても地肩が強く、2003/04シーズン以来のリーグ優勝はそう簡単な道のりではないだろう。

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