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W杯落選の原口元気が今思うこと。遠藤航と話すMF像と移籍を決断した理由【現地コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「今のままじゃ意味がない」原口元気はサッカー日本代表に戻れるのか



 そういった真摯な姿勢があれば、シュツットガルトの1部残留も、日本代表復帰も不可能ではないはず。実際、森保一監督も8日のオンライン取材で原口と会ったことを明かした。原口自身は「パフォーマンスが出たら呼んでくださいと言うだけ」と話していたが、その思いは確実に伝わったのではないだろうか。

 もちろん、代表ボランチやインサイドハーフを担う人材としては、W杯組の守田英正、田中碧を筆頭に、欧州で奮闘中の田中聡、今年1月に移籍した三竿健斗、岩田智輝ら優れた人材がひしめく。そういう中で、今年32歳になる原口が生き残っていくのは本当に難易度が高いと言わざるを得ない。

 それでも、本人が「歳は関係ない」と強調するように、ブンデスで明確な結果を出していれば、必ずやチャンスは訪れる。36歳の長友佑都が4度目の大舞台参戦を叶えたように、35歳で2026年の北中米W杯に出場することは十分可能と考えていい。

「代表に戻りたいし、今のままじゃ意味がない。次のW杯までのここから3年半、自分自身にフォーカスし続けて、成長、成長、成長ってことで行きたい。2部に行ったりするとまた違ってくるんで、何とか1部に残ってプレーし続けられるようにやりますよ」

 シュツットガルト最年長の男は目をぎらつかせた。ここから。「残留請負人」になるべく、できることを全てやり切る覚悟だ。心を揺さぶるプレーのできる原口には、泥臭く貪欲に前へ前へと突き進んでほしいものである。

(取材・文:元川悦子【フライブルク/ドイツ】)

【了】

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