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W杯落選の原口元気が今思うこと。遠藤航と話すMF像と移籍を決断した理由【現地コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

遠藤航は「やっぱり違うな」「僕の感覚的に…」



「(メンバー落選の後は)難しかったですね。1カ月半くらいは。嫁にも心配された時期がありました。吹っ切れたのは新年くらいから。ウニオンのキャンプに行って、少し移籍の話も出始めて、少し気が軽くなって、そこから変わりました。

 日本がドイツやスペインに勝って? 正直、嬉しいという気持ちはなかったけど、『なんで俺、ここで見てるんだろう』って感じだった(苦笑)。でも、すごく刺激はもらった。前線は個で違いを作れる選手がどんどん出てきているから、ボランチとかひとつ後ろのプレーヤーも、航じゃないけど、もっと違いを作れる選手が出てきたらいいと思いましたね。

 ここへきてから航ともよく話しているけど、『どれか1つじゃダメだ』って。彼はそこにトライし続けたから大きく伸びたし、すごく平均的に全てのことができるようになった。近くでここ1週間くらい見るようになって、『やっぱり違うな』と感じる。別に後輩とか、年齢が下とかは僕の感覚的に関係なくて、いい選手はいい選手。ただそれだけなんで。何歳でもいいんですよ、サッカーは」

 そうやって素直にいい選手をリスペクトし、追いつけ追い越せで切磋琢磨できる清々しさが原口の良さ。フライブルク戦後にも堂安と話し込む姿が見られたが、堂安に対しても「今季の律はホントに素晴らしい」と話していたことがあった。かつてはポジション争いを繰り広げたこともあったが、仲間のストロングをしっかり受け止めつつ、自分がどうあるべきかを冷静に考えられるようになったのが、31歳となった大人のフットボーラー・原口元気の現在地と言える。

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