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W杯落選の原口元気が今思うこと。遠藤航と話すMF像と移籍を決断した理由【現地コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

なぜシュツットガルト移籍を決断したのか?



「この間の試合(5日のブレーメン戦)もそうですけど、こんな感じなんで。勝てないチームって説明しにくい部分が多くて。ウニオンは別によくないのに勝っちゃう。やっぱり最後の自信や守るところと決めるところの質だと思うんで」と原口は結果の出ない現状を淡々と分析していた。

 とはいえ、彼自身はボールを触る回数、攻守両面で重要局面に関与するシーンが格段に増えている。徹底的に戦術的な動きを要求されたウニオン時代はボールタッチ数が極端に少なく、自身のよさを出し切れないという不完全燃焼感がどこかで募っていたが、それを改善すべく、下位チームにやってきたのだ。

「シュツットガルトに来たのは自分自身の成長のため」と本人も強調する。困難の伴う移籍に踏み切った結果として、今、ようやく自分らしさを取り戻しつつあるのだ。

「ブレーメン戦のボールタッチ数は65回。ウニオンの時はだいたい30タッチくらいだったからね。今日の方が少なかったと思うけど、やっぱり楽しいなと感じた。これで勝てるようにしていけたら、ここに来た意味がある。メンタル的には少ししんどいですけど、個人にフォーカスできる点ではいいですね」と本人も毅然と前を向いていた。

 原口が「個の成長」に強くこだわるのは、やはり昨年末のカタールワールドカップ(W杯)メンバー落選が大きく影響している。4年間コンスタントに帯同していた森保ジャパンの戦いを外から見る羽目になった彼は「自分が成長しないとあの場に戻っていけない」と痛感。現在の同僚でキャプテンの遠藤航のように、オン・ザ・ボールでもオフ・ザ・ボールでも仕事のできる選手になりたいと強く願い、このクラブに赴いたのだ。

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