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リバプール加入へ? 大型の逸材、ケフレン・テュラムとは何者か【プレースタイル分析コラム】

シリーズ:プレースタイル分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

テュラムのプレースタイルとは?



 テュラムは190cm前後の恵まれた体格と高いボールテクニックを兼ね備えており、攻守の様々な局面で存在感を発揮できる万能型MFだ。プロデビュー当初はボランチを主戦場としていたが、今季は4-3-3の左インサイドハーフでプレーしている。高い位置で自身の攻撃性能に磨きをかけ、チームに欠かせない存在である。

 フランス人MFの最大の持ち味は、相手の守備ブロックを突破するプレーである。相手DFに身体をぶつけられても動じないフィジカルコンタクトの強さと、相手から上手くボールを隠す技術が組み合わさったドリブルは推進力抜群だ。低い位置からの持ち運びや、ファイナルサードへの進入を得意とする。それに加えてパス能力が高く、長距離のパスで一気に攻撃を加速させられるのも強みだ。ボールを持っていない時はスペースに走り込み、味方をサポートするプレーを頻繫に行う判断力も持ち合わせている。

 ファイナルサードでのプレーに関しては、プロデビュー当初はあまり得意ではなかった。しかし、ここ数シーズンで徐々に改善。今季はスルーパスでチャンスを演出するシーンや、クロスでアシストするシーンが見られるなど、ゴール前でも怖さを出している。実際に今季のリーグ戦では2ゴール4アシストを記録し、1試合当たりのキーパスの数はレギュラー定着後最も高い数字(1.1)となっている(データは『Sofa Score』を参照)。

 更にテュラムは守備に関しても優秀だ。強靭なフィジカルとリーチの長さを生かしたタックルは非常に高いクオリティを誇る。危機察知能力も高く、パスを貰いそうな相手選手を事前に予測し、適切なポジショニングを取ることで相手の自由を奪うシーンも見られる。

 一方で、時折高い位置を取り過ぎてしまい自陣に戻り切れないシーンがあるのは、改善の余地ありといったところか。ただ全体としては素晴らしい実力と才能を持っていると言っていいだろう。

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