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アーセナルへの期待は不安を上回るが…。開幕節が思い出させる昨季の悪夢とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 竹内快 photo by Getty Images

主導権を握りたいアーセナルだったが…



 現在のアーセナルにおいて右サイドバックでプレーできる選手はホワイト、ティンバー、冨安健洋、そしてパーティの4人。パーティ以外はセンターバック、サイドバックを主戦場とするプレイヤーたちだ。アンカーを主戦場とするパーティは展開力とボール奪取に秀でており、偽サイドバックとして起用することでビルドアップの起点となることを期待したのだろう。

 昨季はマンチェスター・シティから加入したオレクサンドル・ジンチェンコが偽サイドバックとしてプレー。高い足元の技術と戦術眼を活かして攻撃時には中盤でプレーした。負傷離脱中のジンチェンコが戻ってくるまではパーティが偽SB起用され続けるのだろうか。次節以降の戦い方が楽しみだ。

 試合の主導権を握りたいアーセナルだが、最初にチャンスを迎えたのはフォレストの方だった。前半11分、フォレストのDFセルジュ・オーリエがクリアしたボールがそのままアーセナル守備陣の背後へ飛んだことでFWブレナン・ジョンソンへのスルーパスになり、フォレストが大きなチャンスを迎える。しかしジョンソンはアーセナルのGKアーロン・ラムズデールとの1対1を決めきることができず、先制点は奪えなかった。

 試合が動いたのは前半26分、右サイドのマルティネッリがドリブルでエリア内に侵入する。フォレストの選手2人を引き付けてエンケティアにヒールでパス。エンケティアがフェイントで1人目のDFをかわし、2人目のDFの股を抜いてアーセナルに先制点をもたらした。

 続く前半32分、アーセナルが追加点を決める。左からのコーナーキックがファーサイドに流れ相手チームにボールがわたるとサリバがすかさずボール奪取、サカへボールを繋ぐ。そこからサカがカットインからの強烈なミドルシュートをゴールに叩き込んだ。

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