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アーセナルへの期待は不安を上回るが…。開幕節が思い出させる昨季の悪夢とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 竹内快 photo by Getty Images

課題は昨季と同じ?

今季アーセナルに加入したデクラン・ライス
【写真:Getty Images】



 これによりアーセナルは2点をリード。ボール保持率84%、枠内シュート数3本(データサイト『Sofa Score』のデータによる)というスタッツで試合を折り返した。相手にチャンスシーンを作らせてしまったものの、攻撃では相手を圧倒。守備ではマルティネッリ、サカの両ウイングがボールをロストしてもすぐに取り返す献身的なプレーを幾度となく見せた。昨季16位のフォレスト相手に後半さらなる追加点を期待するサポーターも多かったはずだ。

 英メディア『BBC』はアルテタ監督のコメントを伝えている。「試合を決めきれなかった。2-0は危険なスコアだし、集中力が欠けて失点してしまった」。その言葉通り、後半のアーセナルの戦い方には不安が残った。

 81分、ライスがボレーシュートを狙い、フォレストのGKマット・ターナーがセーブ。コーナーキックを獲得した。しかしそのコーナーキックの流れからフォレストのロングカウンターが炸裂してしまう。FWエランガにドリブルで一気にゴール前までボールを運ばれ、アウォニィが折り返しをゴールに流し込む。ボールを奪われてからわずか10数秒何もすることができず、1点を返されてしまった。

 再三チャンスを作り、ゴールに迫ったものの後半は無得点。何とか守り切り2-1で試合終了を迎えた展開は昨季の悪夢を想起させる。

 昨季終盤までリーグ首位を守り続けたアーセナルが優勝を逃した理由の1つに、「勝ちきれない」、「逃げきれない」試合が多かったことが挙げられる。首位争いを繰り広げるシティとの直接対決を控えた第30節リバプール戦(スコア2-2)、第31節ウェストハム戦(スコア2-2)、第32節サウサンプトン戦(スコア3-3)の3試合はいずれもドロー。うちリバプール戦とウェストハム戦では先に2点を取っていたのにもかかわらず、追いつかれて勝点2を失った。

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