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ミスを誘う三笘薫の献身。難しい状況で引き出したニューカッスルの弱点とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

三笘薫の献身性から決まった先制点


 27分に生まれた先制点の場面は三笘の守備がキッカケだった。

 ルイス・ダンクからのフィードはやや伸びてしまったが、このボールを回収したニューカッスルGKポープに対して正面から距離を詰めることでクリアミスを誘発。このボールを回収したペルビス・エストゥピニャンからのパスを受けて放った左足のシュートは足でセーブをされるが、その流れからゴールが生まれている。

 三笘がどこまで把握をしていたかはわからないが、ポープは抜群のセービング技術とは対照的にボックス外でのプレーをかなり苦手としている。昨季も一時期、ハウ監督によってスイーパーのような役割を求められたが、キックミスやエリア外でのハンドで一発退場など、彼にとっては苦い思い出が多い。

 やむなしにボックス外に出てきたポープに対して、その後の対応を焦らせるプレッシャーをかけた三笘の守備が先制点をもたらした。ビリー・ギルモアのシュートもキャッチにいって落としたが、これも焦りによるミスという可能性もあるだろう。彼がニューカッスルの弱点を引き出したと言っても過言ではない。

 周りのお膳立てが少ない場合は、従来のWGであれば試合から消えてもおかしくない。それでもゴールに絡んでチームに貢献できるのが三笘薫なのだ。

(文:安洋一郎)

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