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久保建英へ注がれる厳しい目。辛口評価の背景と求められる活躍の基準【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

久保建英を見る目が厳しくなったのは良い傾向


【写真:Getty Images】



 最後に久保についても触れておく必要がある。

 絶好調の日本人レフティーはこの日も右ウィングで先発出場を果たした。しかし、かなり警戒されていたことに加え、インテンシティーの高いバスクダービーでフル出場を果たしていた影響もあってかやや疲れている印象もあり、普段に比べ違いを生み出すプレーは目立たなかった。結局、63分間のプレーでシュートは0本に終わっている。

 しかし、ガッカリ感はなかった。確かにビルバオ戦のようなゴール前での怖さはなかったかもしれないが、ボールを持てば失わず、シンプルなプレーを選択したことでチームの攻撃のリズムを壊さなかった。27分には囲まれながらもブライス・メンデスにパスを渡し、ゴール前まで一気にスプリント。この動きで相手DFを釣り、B・メンデスの得点をアシストした。

『UEFA.com』によると、そのB・メンデスは試合後に「久保とオヤルサバルが僕からマーカーを奪ってくれたからね。このような選手たちとプレーするのはとても簡単だよ」とゴールシーンを振り返っていたという。久保の貢献度はチームが勝利する上で欠かせなかったのだ。

 しかし、現地メディアの評価は軒並み及第点といったところ。『ムンド・デポルティーボ』などは辛口な評価を下している。今や久保に対する周囲の見方がただの助っ人ではなく、チームの核に変わっているがゆえの評価と言うべきだろう。

 もはや毎試合ゴールを求められている。かつてのリオネル・メッシのような立場に、久保はなっているのかもしれない。

(文:小澤祐作)

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