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アーセナル、劇的ゴールの伏線は前半に。堅守のブレントフォードに生まれた隙【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 竹内快 photo by Getty Images

ブレントフォードがアーセナルを苦しめた理由

アーセナルを苦しめるブレントフォードの守備
【写真:Getty Images】



 試合を見た人は口を揃えて「ブレントフォードの守備は良かった」と言うに違いない。とにかくこの試合でビーズ(ブレントフォードの愛称)が見せたディフェンスはパーフェクトだった。

 トーマス・フランク監督率いるホームチームは、右WGブカヨ・サカと左WGガブリエウ・マルティネッリを使ったサイド攻撃でチャンスを作りたいアーセナルに対して、[5-3-2]で迎え撃った。この中盤から最終ラインにかけての[5-3]のブロックは連動性が非常に高く、中央だけでなくサイドでもアーセナルにスペースを与えない。「誰がどのエリアを担当するのか」、そして「誰がプレスに行くのか(それともプレスに行かないのか)」のコミュニケーションが完璧で、1人1人の動きや判断に間違いが無かった。

 加えて自陣深くに引いて守ることを安直に選択せず、前線から積極的なハイプレスを行ってアーセナルのビルドアップのミスからゴールを狙う。デクラン・ライスのファインプレーで得点にはならなかったものの、13分にはハイプレスからGKアーロン・ラムズデールのミスを誘い、狙い通り決定機を作り出している。

 このようなディフェンスを受けてしまったなら当然とも言えるが、アーセナル自慢のサイド攻撃は停滞。特にサカ、マルティン・ウーデゴール、冨安健洋の右サイドは相手に上手く封じ込められてしまい、仕掛けるスペースもなければクロスを上げる隙も無い。じりじりと相手選手に寄せられて攻略できず、ウーデゴールがサイドチェンジする場面が多く見られた。

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