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サカを輝かせる冨安健洋の脅威とは? アーセナルの未来につながる大勝【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

敗れた前回対戦との決定的な差


 現地時間10月3日に行われたRCランスのホームで行われた試合と今節の最大の違いは、アーセナルのWGの質の差だろう。

 というのも、前回対戦時はガブリエウ・マルティネッリが怪我で欠場、ブカヨ・サカは34分に負傷交代していた。一方で今回の対戦時は、彼ら2人がRCランスの守備陣に対して圧倒的な質的優位を見せつけた。

 特に右WGのサカはキレキレで、RCランスの守備陣はファウル以外で止める術を見いだせなかった。この優位性を活かしたイングランド代表FWは、相手の守備網に突っ込んでは、3人ほどの選手を引きつけて他の選手へパスを出し、マークのズレを作り続けた。

 その結果、RCランスの守備対応はかなり後手を踏むものになった。ガブリエウ・ジェズスが決めた21分のゴールシーンでサカは、なりふり構わず相手の守備ブロックにドリブルで突っ込んでおり、個人の能力で完全に相手を凌駕していた。

 これはマルティネッリにも同じことが言える。27分のゴールシーンで対峙したRCランスの左WBプジェミスワフ・フランコフスキはブラジル代表FWに、入れ替わられることを恐れて寄せきれず、シュートを打つ隙を与えるスペースを与えてしまった。

 他の場面でもアウェイチームのDF陣はアーセナルのWGに対して、複数でボールを奪いに行ってもかわされる場面が目立った。となれば苦しむのは必然的だ。両サイドから強烈な圧力を掛け続けられたRCランスに勝機はなかった。

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