フットボールチャンネル

【アーセナル分析コラム】自滅なのか? 躍進するアストン・ヴィラにやられた…。攻撃プランに影響を及ぼしたものとは

シリーズ:分析コラム text by 竹内快 photo by Getty Images

アーセナルに足りなかったもの

アストン・ヴィラ戦をベンチで見守るミケル・アルテタ監督
【写真:Getty Images】



「ボールをネットに入れなければならない。それが今日、我々が逃した唯一のことだ。なぜなら我々はいくつかの大きな、大きなチャンスを生み出したからだ」(Sky Sports)

 試合後にスタンドで見守っていたアルテタ監督がこう話したように、この試合のアーセナルにはチャンスシーンでの決定力が足りていなかった。シティはヴィラ相手にわずか2本のシュートしか打つことを許されなかったが、アーセナルは12本(うち枠内5本)のシュートを打つことができている。『ゴール期待値』は「1.36」となっており(ヴィラは「0.51」)、自分たちがチャンスをものにしていれば、少なくとも勝ち点1を手に入れることは出来たはずだ(データサイト『SofaScore』参照)。

 開始7分でジョン・マッギンに先制点を許してしまう嫌な試合の入り方ではあったものの、そこからはアーセナルがチャンスを作るシーンが続いた。実際チームのキャプテンであるマルティン・ウーデゴールが39分のシーンで決めていれば、試合の展開はまた違ったものになっていただろう。昨季ゴールを量産した24歳のチャンスメーカーは、今季はいまだ4ゴールを挙げるにとどまっている。怪我の影響でまだまだ本調子ではなさそうだが、チームを高みへ押し上げるのには彼の得点力が不可欠だ。

 もちろんGKエミリアーノ・マルティネスを含めたヴィラの守備陣がハードなディフェンスを披露してきたこともアーセナルの決定力不足が印象付けられた要因だが、このような決定力では敗戦の原因は自滅によるものだと言っても過言ではないだろう。

 そしてもう1つ、アーセナルに足りなかったものがある。それが相手の弱点を突くプレーだ。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top