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日本代表 4か月前

「めちゃくちゃ怒られた」板倉滉が振り返る川崎フロンターレでの日々。サッカー日本代表の柱に「大人になったので」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「アジアの相手と戦うときにはディフェンスラインがどれだけ…」

ドイツ代表と対戦したサッカー日本代表DF板倉滉
【写真:Getty Images】



「僕たちのヒーロー的な存在だった、経験豊富な選手がこうして代表に来てくれるのは間違いなくポジティブなこと。特に憲剛さんはポジション取りが絶妙だったし、パスを出すタイミングを含めて、本当に相手の嫌がるところを突いてくる。フロンターレの1年目のときから、こういう人がサッカーをわかっているんだと何度も感じていたし、そういうのをまたいろいろと吸収していきたいですね」

 2018シーズンに期限付き移籍したベガルタ仙台で、リーグ戦で24試合に出場。濃密な経験を積んだ板倉は翌年1月にプレミアリーグのマンチェスター・シティへ完全移籍。A代表への招集歴がなく、労働許可証を取得できなかった関係でオランダのフローニンゲンへ期限付き移籍した。

 ちょうどそのとき、森保監督に率いられる日本代表は、UAE(アラブ首長国連邦)で開催された前回のアジアカップを戦っていた。苦戦を重ねながらも進出した決勝戦で、カタール代表に1-3で完敗。王座奪回を果たせなかった軌跡を、板倉はオランダの地から見ていた。

 アジアでの戦いが持つ特有の難しさを、板倉はディフェンダー目線で感じていた。

「絶対に勝たなければいけない、という気持ちもありつつ、一方で気を緩めたら間違いなくやられる。本当に難しい戦いだと思いますけど、アジアの相手と戦うときにはディフェンスラインがどれだけ安定してできるか、攻撃にうまく繋げていけるか、というところが試合のなかで大きなカギになっていく。ディフェンスラインの集中力という部分はすごく大事になってくると思っています」

 タイ戦を終えた直後には、12日から中東カタールで開催されるアジアカップに臨む代表メンバーが発表される。メンバー入りがほぼ確実な板倉は、ぶっつけ本番の形で帰国していた。

 所属するブンデスリーガ1部のボルシアMGから、板倉が左足首の手術を受けると発表されたのが10月26日。森保ジャパンのセンターバックとして先発し、72分間プレーしたチュニジア代表戦の直後だった。欠場は数週間とされたが、復帰を果たせないままリーグはウインターブレークに入った。

 当初のプランは、ウインターブレーク前の戦列復帰だったと板倉が言う。

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