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日本代表 4か月前

すでに後の祭り。サッカー日本代表は何を間違えた? お手本になり得るイラク代表の日本対策【西部の目/アジアカップ2023】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

埋没するFWとデメリットが目立つ可変



 日本代表のプレーぶり、選手起用も良くなかった。

 初戦に続いてCFに存在感がない。ベトナム代表戦では細谷真大が後半から上田綺世に交代したが、この試合でも浅野拓磨は62分に上田と交代している。引いて守る相手に対して、相手を背負ってパスを受けるプレーがとくに秀でているわけでもないCFでは持ち味が出ない展開だった。浅野が裏のスペースへ走ってスピードを発揮できたシーンはわずかだった。

 CFが相手のディフェンスラインにほとんど影響を与えられないので、久保建英と南野拓実がバイタルエリアへ侵入する機会も限られていた。トップとトップ下の連係がないので中央からの崩しはきっかけさえつかめないまま時間が経過していく。

 右サイドは伊東の突破、左は伊藤洋輝の攻め上がりからクロスボールを連発したが、シュートには結びつかない。

 ビルドアップでは守田英正がディフェンスラインに下りて中継点になっていた。そのぶん左SB伊藤洋輝が前進し、同時に南野がインサイドに移動する。しかし、この三点移動はメリットよりデメリットのほうが目立っていた。守田が下がることで、本来の左ハーフスペースの高い位置での組み立てがなくなっていた。南野は中央へ入っても久保と持ち場が重なってしまい、伊藤は相手ゴールに近い位置でプレーできていたものの、ドリブルでさらに1人かわす、右に持ち替えてシュートという幅がなく、ほぼ左足のパスだけなので状況的にはチャンスになっていてもあまり活かせていなかった。

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