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「脆弱性が…」サッカー日本代表の問題を指摘するスペイン人指導者。「守備方法を統一できていない」【アジアカップ2023】

シリーズ:スペイン人指導者の視点 text by 川原宏樹 photo by AFC

第3戦では何が改善されたのか?

イラク代表に敗れたサッカー日本代表
【写真:2024 Asian Football Confederation (AFC)】



「ボールを失う恐怖心が強くなるなかでのプレーは、これまでのようなダイナミックなプレーや難易度の高いプレーの選択といった状況下で積極性を失っていきました。そういった積極性の欠如によって、決定機をつくり出すことに苦しんでいるように見えました」

 積極性の欠如によって苦戦を強いられた日本代表だが、3戦目となったインドネシア戦では改善も見られたという。

「昨年までの親善試合では前線でポジションチェンジを積極的に行い、いい効果をもたらしていました。しかし、ベトナム戦やイラク戦では積極性の欠如により効果的なポジションチェンジといったプレーは滞っていました。ただ、インドネシア戦においては攻撃面では改善されて、そういった積極性を取り戻して効果的なポジションチェンジが見られるようになりました。特に、毎熊晟矢のダイナミズムにあふれたプレーは、チームにポジティブな影響を与えていたように思います」

 ディフェンスラインの脆弱性、またその影響による積極性の欠如を不調の原因に挙げたアレックスは、守備において修正点は大きく2つあると主張。それぞれの試合で見られた事象を踏まえて具体的に説明した。

「イラク戦でもそうでしたが、特にベトナム戦ではチーム全体として守備時に先を読んだ予測に基づくプレーが遅かったように感じます。ボールを失った直後のネガティブトランジションにおいて、相手のカウンターを警戒して防ぐことは当然なのですが、そのときにどうすべきかというプレー判断に遅れがありました。以前は素早く対応できていたことなのですが、その遅れが生じてしまったために結果としてファウルせざるを得ない状況に追い込まれて、フリーキックからの失点を招いてしまいました」

 このような先読みの遅さに加えて、ロングボールの対応についても言及した。

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