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【アーセナル・分析コラム】ハフェルツは変わった。決定的なチャンスを作る“兆候”。ジェズス不在期間で生まれた変化

シリーズ:分析コラム text by 竹内快 photo by Getty Images

ハフェルツが乗り越えなければいけない課題



 バーンリー戦では78分にゴールを奪った。DFヤクブ・キヴィオルのスローインを最終ラインの背後で受けたハフェルツは、追いついてきたDFハネス・デルクロワを股抜きで華麗にかわすとそのままGKとの1対1の状況で冷静にフィニッシュ。一連の流れは素晴らしいのだが、選択したシュートコースはかなり危険だ。前方に飛び出してシュートコースを限定しようとするGKの脇の下にシュートを通している。

 強調したいのは彼が残した結果にケチをつけたいのではなく、これから彼がさらにアーセナルで外せない選手になっていくために乗り越えなければならない課題点がこのゴールシーンで見えた、ということである。

 センターフォワードのファーストチョイス、ガブリエウ・ジェズスの復帰は3月中とされている。ジェズス不在のこの期間で、リバプール、マンチェスター・シティとの優勝争いをリードし、なおかつ久しぶりのUEFAチャンピオンズ・リーグ(CL)で結果を残すためには、生まれた決定機を確実に仕留めなければならない。直近の起用状況を参考にすると、アルテタ監督はジェズスの代わりをエディ・エンケティアではなく、レアンドロ・トロサールまたはハフェルツと考えているようなので、ハフェルツはここぞと言う場面での決定力をもっともっと向上させたい。そのためにはシュートコースの見極めには改善が必須だ。

 見えてきたのは「成長」と「課題」ではなく、「成長」と「期待」と言った方が正しいのかもしれない。FWとMF両方ができる特別な魅力を持つハフェルツがジェズス不在期間中の主役になってくれることに期待したい。

(文:竹内快)

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