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日本代表 2か月前

「シンプルに潰す」サッカーU-23日本代表はどう戦うべきか? 2試合から見えたパリ五輪出場を掴むための戦略【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

荒木遼太郎を外して…。絶望から見出す希望



 4月のアジア最終予選はインターナショナルマッチウィークではないので、海外組を全員招集することはできない。トップチームではない佐藤や小久保玲央ブライアン、シントトロイデンの一部選手など、招集できる見込みのあるのは一部で、斉藤光毅らこの世代の中心的なメンバーなしで予選を戦わなければならない。

 最終予選のメンバーは今回から大きく変わることはなさそうだ。メンバー構成を見ると、得点力のあるウイングは候補者の頭数が限られるが、細谷真大、藤尾翔太、染野唯月など1トップでプレーできる選手は多く、中盤は田中や川﨑、松木などデュエルに強い選手が多い。また、所属クラブを見ると、ボール保持を基調とするクラブは多くなく、組織的なプレッシングやショートカウンターを得意とするクラブが多い。

 田中や川﨑が中盤の底ではなく、やや高い位置で特徴を発揮できることが分かった。中盤の底にはベルギーリーグでプレーし、海外経験も豊富な藤田や山本が適任だろう。もちろん、どの局面でも平均点を超えられる松木もメンバーに入ってくるはずだ。

 荒木らをスタートから使うのではなく、強度の高い守備で敵陣に押し込んでいくサッカーをキックオフからフルパワーで行い、間延びする後半に小見や平河悠といった打開力のあるウインガーや、荒木のような創造力のある選手を投入するのは有効打になるだろう。この日のように田中を後半から入れて守備強度を1段階上げるのもいい。

 U-23マリ代表戦は絶望だったが、2試合を通してみると小さな希望は確かにあった。大岩ジャパンはチームコンセプトを大事にしながら強化を進めてきたが、代表チームは補強ができないので、いるメンバーで戦力を最大化しなければならない。果たして、この2試合からどのようなヒントを得るのだろうか。

(取材・文:加藤健一)

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【了】

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