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セリエA 1か月前

サッキの目に狂いはなかった。トリノ監督は「戦術家ではなく戦略家」。バノーリ監督は何が優れているのか?【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

イタリアサッカー界の重鎮サッキも絶賛「イタリアが進むべき道」

 第2戦は、昨季のUEFAヨーロッパリーグ(EL)王者のアタランタに2-1と勝利。先制点を許したものの、イバン・イリッチと新戦力のチェ・アダムスのゴールで逆転。ドゥバン・サパタと最前線でコンビを組んだアダムスは、豊富な運動量で、相手守備陣を撹乱し、サパタとも絶妙なコンビネーションを見せ、すでにチームにフィットしていることを実証した。

 トリノは最後、アタランタに押し込まれる時間が続いたが、時折放つ鋭いカウンターで敵陣に襲いかかり、ただ守りを固めるだけではないことも証明している。ブオンジョルノの後釜として、新加入したサウール・ココも、2試合で3バックの中央を任され、アタランタ戦では、マテオ・レテーギにヘディングシュートを許して、先制点を献上するミスを犯したが、読みの鋭いインターセプトやフィジカルの強さを随所に発揮し、非凡な能力を示している。

 このスペクタクルな一戦を褒め称えたのが、イタリアサッカー界の重鎮アリゴ・サッキだ。「この試合を観ていて、私はリモコンボタンを押し間違え、海外の試合にチャンネルを合わせてしまったのかという錯覚に陥った。セリエAの試合には思えず、ヨーロッパのカップ戦、あるいは、プレミアリーグ、ラ・リーガの一戦を観ているかのように思えたのだ。この試合内容に満足したよ」

「イタリアサッカーが、過度な戦術主義、中盤と攻撃陣の数を減らし、守備に重点を置く古い短所から解放されたいのであれば、今日のようなサッカーを続けなければならない。これこそがイタリアが進むべき道だ」と、攻守においてインテンシティの高かった一戦を手放しで絶賛した。

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