フットボールチャンネル

コラム 2か月前

ミランをどう変えるのか。新監督コンセイソンが愛する「現実的なサッカー」の正体。「フォーメーションは次の問題」【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

「“支配するサッカー”とは、これだ」

 50歳のコンセイソンは、昨年12月31日の就任会見において、「フォーメーションは相対的なものであり、大切なのはスピリットと適切なクオリティーを備えることだ。試合の最後に『勝つために全てを出し切った』と実感できるような、この飢えを持つことは容易ではない。選手たちには、私自身がそうであるように、そしてファンがそうであるように、試合を情熱的に生きてほしい。ミラネッロに入るときには、目を輝かせなければならない」と話した。

 さらに「我々指導者は常に完璧を追い求めているが、それは不可能だ。私にとってサッカーはシンプルだ。一方にはゴールを決めるためのゴールがあり、もう一方には失点しないためのゴールがある。私にとっての“支配するサッカー”とは、これだ」と自らのサッカー哲学を力説した。

 就任会見でのコンセイソンの言葉は、チーム全体に浸透し、年明け3日のスーペルコッパ準決勝、四男のフランシスコが所属するユヴェントスとの親子対決を2-1で勝利。その3日後の決勝、インテル戦でも2点のビハインドを背負いながらも、終盤の猛攻で3点を奪い大逆転劇を完遂し、スーペルコッパを制した。

 コンセイソンへの使命は、フォンセカが解任された第18節終了時点で8位と低迷するチームの順位を押し上げ、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権を手中に収めることと、もう一つは前任者と冷え切っていた関係にあったラファエル・レオンにこのチームのエースであることを改めて認識させることだ。

 10番は新監督の印象について、スーペルコッパ優勝後にこのように語っている。

1 2 3 4 5 6

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!