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コラム 2週間前

ミランをどう変えるのか。新監督コンセイソンが愛する「現実的なサッカー」の正体。「フォーメーションは次の問題」【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

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 ミランの新監督に、セルジオ・コンセイソンが就任した。ポルト監督時代に圧巻の強さを植え付け、タイトルを獲得したこともある闘将は、パウロ・フォンセカの元で“失敗”した名門をどのように立て直そうとしているのか。そして、どのように変えていこうとしているのか。その理想を追っていく。(文:佐藤徳和)

ミランのメンタルを変えた、セルジオ・コンセイソン

ミラン新監督のセルジオ・コンセイソン
【写真:Getty Images】

 それはまるで新監督の魂がチームに憑依したかのような戦いぶりだった。

 今季のミランは、前任のパウロ・フォンセカ政権下では、カップ戦を含めて一度も逆転勝利はなかったが、セルジオ・コンセイソンが新監督に就任してから、ミランは5試合の勝利のうち、4試合で逆転勝利を収めた。

 テクニカルエリアで、腹の底から声を張り上げ、全身を使って指示を送るポルトガル人指揮官は、チームに気合いを注入。短期間でチームのメンタリティーをドラスティックに変えることに成功した。

 同胞のフォンセカ前監督から、ミランの指揮を継承したコンセイソンは、イタリアでの指導が初めてとなるが、現役時代には1998年夏から6年半の間にセリエAで大きな足跡を残した。ゴール前への飛び出しを得意とするMFで、ラツィオ、パルマ、インテルの3つのクラブでプレーし、セリエAで13得点を記録している。

 ラツィオでは、クラブ史上2度目のスクデットを獲得。アレッサンドロ・ネスタ、シニシャ・ミハイロヴィチ、フェルナンド・コウト、ディエゴ・シメオネ、ロベルト・マンチーニ、パヴェル・ネドヴェド、デヤン・スタンコヴィチ、フアン・セバスティアン・ベロン、マルセロ・サラス、そして現インテル指揮官のシモーネ・インザーギらを擁した世界選抜のようなチームの中で、主力の一人としてリーグ制覇に尽力した。

 それゆえ、他国のリーグよりも戦術的に高度で、組織力が求められるイタリアのサッカーを熟知している人物と言える。

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