考えうる2つの選択肢
立ち位置を重視するサッカーにおいて、相手が守備の基準点をはっきりさせたり、マンマークをベースに行ってきたりしたときの対策は主にふたつです。それでも繋ぎ倒すか、ロングボールを蹴るか、となります。
前者を選ぶ場合は、ゴールキーパーがビルドアップに関わる必要があります。ゴールキーパーがエクストラセンターバックとして振る舞う時代において、11対10の状況は限りなく、11対10の状況に近づいてきています。つまり、バックパスは受けるけれど、ゴール前から離れられないゴールキーパーを「1」とカウントすることに抵抗がありましたが、まるでセンターバックの一角のような立ち位置と振る舞いは、少し時代を変えようとしています。ヴェルディ戦で最初の失敗から見事なリカバリーを見せた藤田和輝の健闘を祈ります。
後者を選ぶ場合は、空中戦の目的地を決めるか、裏まで蹴っ飛ばして走る必要が出てきます。ロングボールのデザインと同時に、ロングボールを蹴るときと蹴らないときの状況共有がもっとも大事になってきます。速攻という選択肢が増えていくなかで、リードした状況が重なると、どうしても速攻ばかりになることは今のチームの課題となるでしょう。