FC琉球

【写真:Getty Images】
監督:平川忠亮
2025リーグ戦成績:2勝4分6敗
最新順位:18位(勝ち点10)
2025年のJ3リーグ序盤戦、FC琉球は高い壁に直面している。第12節終了時点で2勝4分6敗、勝点10の18位。自動降格圏と紙一重の位置に沈んでおり、早期の立て直しが求められる状況だ。
琉球はここ数年で大きく戦力を入れ替えたこともあり、若手とベテランの融合に時間を要している印象だ。今季だけでも、退団選手が16人、新加入選手は13人を数える。これだけ入れ替わりが激しければ、チーム作りにある程度の時間は必要かもしれない。
フォーメーションは基本的に4バックを採用。コンパクトな守備ブロックを形成し、中盤での激しいプレッシングと粘り強い守備対応で、ロースコアの展開には持ち込めている。実際、ここまでの失点数は「13」と、中位クラブと比べても突出して多くはない。
しかし、攻撃面での課題は深刻だ。ここまでの得点は「9」のみ。1試合平均得点は「0.75」と、リーグワーストに近い数字であり、複数得点を挙げた試合も稀である。
前線ではフィジカルに優れるターゲットマンの奮闘があるが、セカンドボールの回収率や決定機に絡む動きが不足している印象も拭えない。サイドからのクロスは多いものの、中での合わせの精度やバリエーションに乏しく、攻撃が単調になってしまっている。
加えて、試合終盤での集中力が課題となっている。リードしていながら終盤に追いつかれる、あるいは逆転を許すパターンが複数見られ、試合の締め方に問題があるのは明白だ。選手交代のタイミングや戦術的対応も問われるだろう。
琉球が浮上のきっかけを掴むには、得点力の底上げと終盤のマネジメントが必須だ。粘り強さだけではJ3の波は乗り越えられない。もう一段階、ギアを上げられるか——それが、残留争いを抜け出す分水嶺となるだろう。