AC長野パルセイロ

【写真:Getty Images】
監督:藤本主税
2025リーグ戦成績:3勝2分6敗
最新順位:17位(勝ち点11)
2025年のJ3リーグ第11節終了時点で、AC長野パルセイロは3勝2分6敗、勝ち点11で17位と下位に低迷している。J2昇格どころか、むしろ残留争いを意識しなければならない、厳しい状況だ。
開幕当初は、堅守をベースにした現実的な戦い方で、ある程度の勝ち点を積み上げていたが、ここ数試合はなかなか勝てず、チームは勢いを失っている。総得点は「11」、失点は「16」と、数字だけを見れば突出した問題はないものの、“勝てそうで勝てない”試合が続いていることが、選手たちのメンタルにも影を落としている。
布陣は3-4-3や3-4-2-1をベースに、前線に人数をかける構成が多いが、得点力不足が深刻だ。攻撃はサイドからの崩しとセカンドボールを拾っての波状攻撃が中心だが、最後の局面での工夫やコンビネーションに欠け、相手にとっては読みやすい展開となってしまっている。
一方で守備では、集中が途切れる時間帯に脆さを見せる。とくに後半の中盤から終盤にかけて、決定的な一発で試合を決められるケースが目立ち、リードを守れないもどかしさが続く。ゴールキーパーの好セーブに何度も救われているが、それに頼りすぎている現状も否めない。
地力のあるクラブだけに、復調のきっかけさえ掴めば上昇カーブに乗る可能性は十分ある。しかしそのためには、まず一つ勝つこと。そして、攻守両面での意思統一を図り、「チームとしてどう戦うか」を再確認する必要がある。今の長野に必要なのは、迷いを断ち切る勇気だ。