アスルクラロ沼津
【写真：Getty Images】
監督：中山雅史
2025リーグ戦成績：1勝6分5敗
最新順位：20位（勝ち点9）
2025年のJ3リーグ、アスルクラロ沼津は厳しい現実と向き合っている。第12節を終えて1勝6分5敗、勝ち点9で最下位。ここまでの成績を見ると、極端に負けが多いわけではないが、「勝ち切れない」試合が続いていることが順位低迷の大きな要因だ。
基本フォーメーションは4-3-3。中盤でのビルドアップとポゼッションを志向し、主導権を握ろうという意図は見えるものの、最後の局面でのアイデアや迫力に欠ける。得点数は「10」とリーグ下位水準。スコア的にも1-1や0-1といった僅差のゲームが多く、フィニッシュの質が上がらない限り、勝ち点3を積み上げるのは難しい。
守備面では13失点と極端に多いわけではないものの、1試合平均で1点以上を失っており、無失点で試合を終えるケースが最近はほとんどない。とくに試合への入り方が悪く、ここまでのリーグ戦において、最初の15分で喫した失点数は「6」。総失点数のおよそ半分だ。上記の通り、得点力が乏しいため、必然的に厳しい戦いを強いられてしまっている。
また、ベテランと若手の融合に課題が残っており、試合中の連係ミスやポジションのズレから、相手に主導権を渡してしまう場面も目立つ。チームとしての“共通認識”がまだ醸成されていない印象で、戦術理解度や役割の明確化が今後のカギとなる。
勝利という結果を出すことでしか、チームの雰囲気や勢いは生まれない。沼津がこの苦境から抜け出すためには、まず1勝、そしてそこから流れを変えるための“連勝”が必要だ。ベースとなる守備の粘りと、より大胆な攻撃への意識転換。その両輪がうまく噛み合えば、反転攻勢は可能だ。
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