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Jリーグ 4週間前

「1アシストは赤点回避」柏レイソル、久保藤次郎の言葉は熱く、そして鋭い。エゴにも近い理想像「そういう選手に…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤井圭 photo by Getty Images

「自分が持っている良いもの」。久保藤次郎が目指す選手像

「やっぱり自分が評価してもらいたいのは、仕掛けだったりとか縦に行ってクロスを上げたり、そういうところです。点に絡めるというのが自分の武器だと思っています。どちらかというと調子悪いけど点は取っちゃうみたいな、そういう選手になりたいんです」

 中京大学を経て、2021年に当時J3を戦っていた藤枝MYFCでプロの門戸を開いた。当時はドリブルで縦に仕掛けてゴールを創出するだけでなく、右から中央へと顔を出して逆サイドからのクロスに飛び込むなど、得点力も特徴のアタッカーとして藤枝の“超攻撃的”なサッカーを支えた。2年目にはJ3で10ゴール6アシストという成績も残している。

 得点へのこだわり、そしてそれこそがプレースタイルと自負する久保は、その片鱗を第5節・鹿島アントラーズ戦で発揮する。この試合で黄色いユニフォームに袖を通して初めてゴールを決めたが、得点シーン以上に際立った瞬間が82分にあった。

 右サイドの久保のパスを細谷真大がペナルティエリア内で落として原田がリターン。ボールは中央右に流れたが、反応した細谷が思い切り右足を振り抜く。相手GK早川友基が弾いたこぼれ球へ一目散に走ったのは右からのパスでスイッチを入れた久保だった。

 久保はパスを出した瞬間に矢印をゴール前へと向け、シュートを放った細谷の後ろへ回り込んで弾いたボールに反応。惜しくも早川の超反応に防がれてしまったが、久保に付いていけた鹿島の選手は一人もいなかった。

「キレイなゴールだけではなくて、ああいうこぼれ球への反応という嗅覚なども自分が持っている良いものだと思います」

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