MF：比嘉厚平（ひが・こうへい）
【写真：Getty Images】
生年月日：1990年4月30日
主な在籍クラブ：柏レイソル、モンテディオ山形
比嘉厚平は、小学生時代から柏レイソルの下部組織で育ち、各年代で主力を務めてきた天才MFだった。2006年にはU-17サッカー日本代表としてAFC U-17選手権で優勝メンバーに名を連ね、2007年末には酒井宏樹とともにトップチームへの昇格が内定。将来を嘱望された存在だった。
しかし、2008年1月、U-19日本代表として臨んだU-19中国代表戦で、左膝前十字靭帯損傷、両膝の半月板損傷という重傷を負い、全治7カ月と診断された。2008シーズンを全休し、キャリアの出足を大きくくじかれた。
復帰後も度重なる負傷に悩まされ、柏ではわずか1試合の出場にとどまった。2011年には当時JFLのブラウブリッツ秋田に期限付き移籍し、30試合出場7得点と復調の兆しを見せたが、翌年加入したJ2のモンテディオ山形では再びケガに苦しみ、2012シーズンはリーグ戦10試合無得点に終わった。その後、山形で一定の活躍を見せたが、2016年に26歳で現役を引退した。
引退時には、同期の酒井宏樹が「自分のポジションが変わったのはFWに比嘉がいたから」と語り、齋藤学も「俺らの代で一番の選手」とSNSで称賛。選手たちの証言からも、ケガさえなければという“もしも”がつきまとう逸材だったことがうかがえる。
現在は指導者として、2024年からモンテディオ山形の育成組織「ジュニア村山」でU-12のコーチを務めている。選手としては不本意な終わりを迎えたが、次世代の育成を通じて、もう一度サッカー界に希望を生み出す日がくるかもしれない。
