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Jリーグ 6か月前

「他の選手では真似できない」深澤大輝は東京ヴェルディに足りないものを埋める。CBで活かされる「きめ細やかさ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 水野裕介 photo by Getty Images

城福浩監督が深澤を抜擢した理由。「それはこのチームに足りないものでもある」

「4バックのセンターバックならユースとか大学のときにやったことがあったんですけど、5枚の真ん中はやったことがなかった。でも、(やってみて)カバーリングの楽しさだったり、ビルドアップでは真ん中でボールを持つことが多いので、そこらへんの楽しさに気付きました」

 城福浩監督には今の光景が見えていたのだろうか。怪我人の続出や出場停止などさまざまな要因があったとはいえ、深澤を3バックの真ん中に抜擢したのには明確な理由があった。

「彼が声でプレーできるということ。それはこのチームに足りないものでもあるんです。若いチームが故に、ときには厳しい声をあげないといけない。でも、強く言ってやらせるということは自分自身もやらなきゃいけないわけで、彼はそれができる。その点については彼がサイドバックでプレーしていたときから注目してました」

 そう、深澤はプロ入り後は主に左サイドバックを主戦場として戦ってきた選手なのである。シーズン初めに実施するヨーヨーテストでは、毎年のようにトップクラスの記録を出す体力の持ち主であり、その特徴を活かしてサイドで上下動を繰り返していた。

 それでも、怪我による離脱、新戦力選手の加入、システム変更などさまざまな要因で出番を失って迎えた今シーズン開幕前のキャンプ時。いろんな選手をいろんなポジションで、いろんな組み合わせで試したいという城福監督の思惑がある中で、深澤にセンターバックをやらせたいというよりは、どちらかと言うと偶発的に3バックの真ん中に配置されることが何度かあったようだ。城福監督にはそのときの印象が強烈に残っていた。

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