9位:FC琉球
本拠地:タピック県総ひやごんスタジアム
測定地:沖縄県那覇市
6月の合計降水量(平年値):284.4mm
直近30年間のデータによれば、沖縄県那覇市を基準とした年間降水量は約2161mm。月平均で考えても100mmを下回ることがなく、沖縄県は1年を通じて雨が多い地域だ。また、台風の被害に見舞われることも多く、7~9月は観光客も影響を受けやすい。
梅雨シーズンも降雨量が多く、今回のランキングでもFC琉球は9位に入っているが、最上位の地域ほどではない。年間の降雨量に比べると、6月の平均降水量が284.4mmというのは少なく感じられるかもしれない。
統計上では雨が降る確率が高いのだが、2024年からの直近4シーズンにおいて、FC琉球のホームゲームは天候に恵まれている。Jリーグ公式によれば、4年の間に本拠地・タピック県総ひやごんスタジアム(タピスタ)で行われた6月の9試合のうち、雨が降ったのは2回のみ。晴れの日はその倍の「4」を数えている。
とはいえ、クラブにとって雨(および様々な外的要因)への対策は半強制的な部分がある。昨年9月、FC琉球に対してJリーグからJ1クラブライセンスが交付されたが、これは「例外適用」によるものだ。
スタジアムの屋根が“観客席の3分の1以上を覆う”基準を満たしていないため、これまでも議論の対象となってきたが、クラブは公式サイトを通じ、特例として基準を充足した条件を以下のように報告している。
「2025シーズンにJ1に昇格した場合は、2027年6月末までに、場所・予算・整備内容を備えた具体的なスタジアム整備計画をJリーグに提出しなければならない。また、2029年6月末までに工事完了し、供用開始が行われなければならない。ただし、工事完了・供用開始までの期限については、2029年6月末までに例外申請を行い、これが認められたときには、2033シーズンの開幕の前日まで延長される」
たとえ天気に恵まれた状況が続いたとしても、ファン・サポーターへのホスピタリティを担保するのはクラブにとって重要な責務だ。現状ではFC琉球のホームスタジアムには雨を凌げる場所がほとんどないため、工事が実施された暁には新規層開拓の面でもポジティブな効果を見込めそうだ。
