「1人で抱えているよりも…」2人を結ぶ絆
「(岡野)洵とは同じ怪我で苦しんでいる仲間同士でしか分からないこと、具体的な膝の痛みの悩みだとか、何が原因だろうだとか、1歩踏み込んだところまでお互い話ができた。僕にとっても本当にありがたかった」
「体はそれぞれ違うけど、傾向が一緒だったりする。『もうちょっとこっちをほぐしたほうがいいんじゃない?』『こっちの方を鍛えた方がいいんじゃない?』とか、より具体的な話をお互い話すだけでも、1人で抱えているよりもすごく前向きに取り組める部分があった」
飯尾は同じ箇所の怪我を負った者同士で生まれた絆を、後半戦のピッチで発揮するつもりだ。
「僕自身も、洵に支えてもらっていた部分もある。洵も(復帰まで)もう少し。これからチームの勝利のために、洵と一緒に試合に出て勝てたら最高かなと思います」
常にピッチに立ち続けられる選手は素晴らしい。ただ、強度の高い現代サッカーに怪我はつきもので、長期離脱を乗り越えた選手にしか分からないこともある。
「毎日サッカーをできることは当たり前じゃない。朝起きた時に体が痛くないというだけで幸せを感じますし、グラウンドに立ってプレーできることは本当に当たり前じゃない」(飯尾)。
言葉で表現するより遥かに重みのある、飯尾と岡野が身をもって体感した支え合うことの重要性やプレーできることへの喜び。それは長崎が大幅な失点減を目指すうえで、きっと必要になる。
(取材・文:椎葉洋平)
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