フットボールチャンネル

Jリーグ 5か月前

25歳のサッカー選手が引退を覚悟した。自分の歩いてきた道が間違っていたことに気づいた日【コラム】

シリーズ:コラム text by 岡田優希 photo by Getty Images

結果は不合格。監督から言われたのは…

 しかし、結果は「契約はできない」とのことでした。

 監督は「ポテンシャルは間違いないし、ドイツ4部リーグでも普通にやれる選手だということはよくわかった。ただ本来であれば2〜3週間練習に参加してもらって、チームに馴染むところまで見てみたい。語学に関して不安の残る選手をたった2日間で契約することは難しい」と気遣った話をしてくれました。しかし、実際はそれらのハンデを覆す程の、どうしても今獲得したい選手だと認めてもらうことができなかったということです。
 
 初めての練習参加での衝撃や学びを整理しながら次のチームに向かいました。
 
 2つ目のチームに関しては大きな期待をもっていました。
 
 そのチームは、町田にいる時から映像などを通して興味があるからぜひ練習参加をしてほしい、と言ってくれていて、獲得を希望するポジションも一致していることから良い感触をもっていたのです。
 
 さらには1つ目のチームへの練習参加での経験を経て、どのような雰囲気なのか、どのようにプレーすると自分のパフォーマンスを発揮できるのか、といった振る舞いを理解していたからです。
 
 2日間の練習参加の後、3日目には練習試合が組まれていて、その後はオフを挟み、練習と練習試合を1日ずつ繰り返しで計10日間というスケジュールでした。
 
 初日の練習からシュートゲームでゴールを複数決め、1vs1においても勝率は高く、良い感触をもってプレーすることができました。
 
 またチームには日本人選手が3人所属していたこともあり、間に入ってコミュニケーションを取ってくれて選手との距離が近く感じました。監督とは英語で色々な話をして、大きな期待を感じました。
 
 迎えた初の練習試合の日は前日から大雪で、雪をかき分けてプレーすることになりました。
 
 またその地域におけるライバルチームとのダービーマッチで、悪天候の中でも近隣の住人が観戦していて、まるで練習試合とは思えない熱量や緊張感を感じます。
 
 圧倒的な雰囲気に背中を押され、自分の中でも「ここでやってやるんだ」と気合を入れて試合に臨みました。
 
 前半左サイドのスペースに抜け出し、相手DFをカットインから振り切ってGKと1vs1になりましたが、GKにぶつけてしまい枠を外しました。
 
 その後もチャンスはありながら決め切ることができず、結果を残せずに65分の出場時間が終わりました。

  
 その後は一度拠点に戻り、クラブからのジャッジを聞いた上でオフ明けに戻ることになりました。

1 2 3 4 5 6 7 8

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!