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Jリーグ 5か月前

25歳のサッカー選手が引退を覚悟した。自分の歩いてきた道が間違っていたことに気づいた日【コラム】

シリーズ:コラム text by 岡田優希 photo by Getty Images

1日で全てが終わる。様々なものが崩れ落ちた

 結果は不合格。

「テクニックはあると思うが、ゴールに迫る迫力、その関与が足りない」
 
 自分の中でさまざまなものが崩れ落ちていきました。
 
 ゴールを決める、ゴールを生み出す力が自分の武器だと思っていたのに、真っ向から否定されたこと。
 
 夢を追いかけてドイツまで来たのに、たった1日で全てが終わること。
 
 1週間も時間があると思っていたその慢心、油断、さらには一瞬一瞬に生き様を表現する力がなかったこと。
 
 ヨーロッパでプロとしてサッカーをプレーすることを「夢」見ていただけであって、現実というのはサッカーとは日本でもドイツでもどこでも「結果」が全ての「仕事」であるということ。
 
 自分の歩いてきた道が間違っていたことに気づき、言葉にならない感情が湧いてきました。
 
 しかし、同時に間違いを認めたからこそ、たった1本のシュートを決めることができなかったからこそ、一度は引退を覚悟しましたが、「このままではサッカー選手として死ねない」と、どんな形でももう一度サッカー選手としてチャレンジしたいと強く想いました。
 
 それから代理人を通して1月下旬の時点であっても獲得をしてもらえるチームを探してもらい、川崎フロンターレアカデミー時代の恩師の高崎康嗣さん(現京都サンガU-15監督)が2022シーズンからテゲバジャーロ宮崎の監督に就任したことから、電話をして意思を伝えました。
 
 運よく選手編成に空きがあったこと、今とは違いJ3の開幕が遅かったことに加えて、当時のテゲバジャーロ宮崎の小林稔会長、渡辺修強化部長が獲得を許可してくださったおかげで、サッカー選手としての命がつながりました。

  
 命を繋げてくださった高崎さん、そしてテゲバジャーロ宮崎のファミリーの皆さんには心から感謝をしています。

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