「もうちょい残りたかった」「そこでの葛藤はすごいありましたね」
「多少戦術の中で輝く選手とかもちろんいると思うけど、監督が変わったから選手が悪くなったり、それで選手としての価値を落としてしまうのは自分の責任だと思う。監督が変わったからどうっていうのは自分はないですね」
高嶺の言葉ひとつひとつには強い気持ちが滲んでいるようだった。それには小学4年生の頃からお世話になっているクラブへの愛着があった。
「やっぱ北海道コンサドーレ札幌は好きですね、めちゃめちゃ。離れてた期間もコンサドーレのことは気にしてたし、移籍するときも移籍したくないって言ったらあれですけど、もうちょい残れることだったら残りたかった」とおよそ2年半前、柏レイソルへ移籍したときのことを思い返しながら、答えてくれた。
当時は自らのキャリアを考えて選んだ道だったが、「コンサドーレは自分がずっと育った、小学校からずーっと見てきてくれる(チーム)。自分も期待されてるのはすごい感じてたし、サポーターからもすごく愛をもらってました」とJ2に落ちたタイミングでの復帰は自らにとって良い時機だったという。
27歳というプレーヤーとしては全盛期を迎える選手が多い中、自らが選んだJ2移籍。高嶺は自らの選択を自身の手で正解に変えようともがいている。
「コンサドーレで3年間やって、海外目指したくても行けなくて、このままじゃダメだと思って柏に行って、海外に行って。ずっと上を目指し続けてやってきた5年ぐらいだったんですけど、まだ上に行けるか目指してる中で言ったら2個ステップダウンみたいな。そこでの葛藤はすごいありましたね」
向上心の強い高嶺にとっては当然、戸惑いもあっただろう。体と気持ちは本人が思っている以上にリンクする。