「そこは絶対に貫かないと」松澤海斗は夢を明かす

「自分の特徴であるドリブル。そこは絶対に貫かないといけないです。そこがあってこその自分なので。そこはもちろんですけど、それプラス決定力と守備力を身につけて。自分の特徴にプラスアルファしていってどんどん成長して、ゆくゆくは最高峰のプレミアリーグだとか、代表に関われたらいいなと思います」

　目指す選手像を尋ね、答えにあった「プレミアリーグ」「代表」という言葉を聞いて、初めて松澤のドリブルを観た時のことを思い出した。「三笘薫のようだ」と感じたことを。

　イングランド・プレミアリーグのブライトンに所属しサッカー日本代表の中心選手でもある三笘と、松澤のドリブルには共通項がある。スピードに乗った状態での仕掛けもさることながら、それ以上に特徴的なのが、完全に停止した状態からのドリブル。上体のフェイントから一瞬でトップギアに入り、対面する相手が間合いにさえ入れないままゴールライン際のわずかなスペースから抜き切ってしまう、あれだ。

　ただ、松澤のプレーを何度も観るにつれ、何度も取材するにつれ、徐々に印象は変わってきた。自分を繕うことなくサッカーに真っ直ぐ向き合う姿に、「三笘のような選手」ではなく「松澤海斗」というプレーヤーに魅了されるようになった。