「2日前くらいから石尾陸登に…」森山佳郎監督が伝えたこと
「クルークス選手への対策で、奥山(政幸)と思いきや石尾(陸登)で、2日前くらいから石尾に『お前にクルークス選手は任せたぞ』と言ってきて、彼が前半はほぼパーフェクトに押さえてくれて、後半は良いクロスを上げられたりしましたが、かなり最小限の仕事におさえてくれたのは大きかった」
ジョルディ・クルークスへのマークをDF石尾陸登に任せたことを明かし、石尾がしっかり仕事を全うしたことを称えた。
仙台大から加入し、今季で2年目のシーズンを迎える石尾は、昨季開幕戦で先発出場を勝ち取ったが、夏に負傷。復帰後はベンチスタートの試合が多かった。今季は開幕からコンスタントに試合出場を重ね、左サイドバックのレギュラーを勝ち取り、攻守で飛躍を見せている。
石尾は今季左サイドバックを主戦場としているが、左サイドに張り付くことなく、特に相手陣内に入ると、中央のスペースに入ってきて、決定的なラストパスを出したり、シュートを狙ったりと決定機をつくり出す役割も行う。
3月8日の第4節・V・ファーレン長崎戦では、左サイドに開いた荒木の内側でパスを受けると自ら上がって行ってボランチの鎌田にパスをし、さらに相手DFの背後へ走り、鎌田からのリターンパスを受け取って自らゴールを決めた。
4月20日の第10節・ロアッソ熊本戦では石尾が相手選手3人に囲まれながらもボールを運び、中盤で荒木駿太にパスをすると、ゴール前へ突進。荒木からの縦パスを受けた石尾はゴール前でFW宮崎鴻にラストパスを送り、宮崎のシュートをアシストした。旧来的なサイドバックではなく、中へ入り込んで攻撃で決定的な仕事ができるのが石尾の大きな魅力だ。
また、石尾は試合展開やチーム事情によって、第15節・RB大宮アルディージャ戦ではセンターバックを務めたり、第16節・ジェフユナイテッド千葉戦のように左サイドハーフに入ったりと、どんなポジションに入っても安定したプレーができる一面もある。
こうしてさまざまなポジションでプレーすることについて石尾は「試合に出られればどこのポジションでも良いです」と前向きに捉えている。そして、普段とは違うポジションに入ってもうまくプレーできるのは、周りの選手とコミュニケーションを密に取れるのが大きい。