“あの感覚”を掴むために。「意識せざる得ない」ライバルの存在
「自分はフォワードなので点を獲ってナンボだと思います。試合に出るチャンスもない中で、苦しい時間を過ごしました。徳島で点を獲りましたが、“あの感覚”を掴むと言うか、このチームを自分のゴールでJ1に昇格させたい気持ちがあります」
そのために必要なのは結果だ。185センチの高さとスピードを併せ持ち、相手の裏を取る動きや右足から繰り出されるダイナミックなシュートも魅力の一つだ。千葉でのトレーニングでは当たり負けしないフィジカルでボールを収め、ワンタッチでのシュートやループシュートなど多彩なフィニッシュパターンでゴールネットを揺らしている。
「千葉はサイドに強みがあると思うので、そこからのクロスであったり、自分のスピードを生かして背後への抜け出しからのシュートであったりをピッチで示したいと思います」
森はゴール後の「ジェフ三唱をしたい」と言う。それはゴールゲッターがサポーターに向けて拳を高々と振り挙げ「ジェフ!ジェフ!ジェフ!」と行うセレブレーションであり、千葉のサポーターなら誰もが知る得点後のパフォーマンスでもある。
森は「(小森)飛絢がやっていたので(笑)」と、いたずらっぽく微笑む。小森とはU‐19全日本大学選抜のメンバーとして海外遠征を通じ、同じ釜の飯を食べた仲でもあった。同世代のストライカーでもあるからこそ「意識せざる得ないですね。あれだけ点を取っていたら。ここで結果を残していたんで負けていられない気持ちはありますね」と力強く語った。
しかし前線にはFWカルリーニョス・ジュニオやFW石川大地、FW呉屋大翔、FW林誠道など個の力を持つタレントが揃っているだけに、そう簡単に出番が訪れるとは限らない。ただ実績十分のアタッカーを超えてレギュラーを掴むことで、“あの感覚”を掴めるはずだ。