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Jリーグ 5か月前

財政が心配なクラブは? Jリーグ、純資産ワーストランキング16〜20位。早くも来年の決算が不安?

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

19位:いわきFC

いわきFC サポーター
【写真:Getty Images】

純資産(2024年度決算):7700万円
売り上げ高:14億800万円
当期純利益:600万円

 2022年にJリーグへ参入したいわきFCは、参入以来、黒字経営を継続し、毎年着実に純資産を積み上げているクラブだ。

 今季のいわきFCは暫定的にJ2下位に位置しているものの、ここまでは順調な足跡を辿っている。J3初年度となった2022年にいきなりリーグ優勝・昇格を果たすと、2023年はJ2で18位にとどまりながらも、2024シーズンには9位と大きく順位を上げており、年を追うごとに競技面での成果を重ねている。

 この成績向上とともに、観客動員やスポンサー収入などの売上も堅調に推移。チームの人件費や運営費にも、以前より多くの資金を充てられるようになってきた。

 大倉智社長は今年1月、自身のnoteで、「いわきスポーツクラブの売上は2022年の約8億円に対し、2023年は約10億円。そして2024年は約14億円となる見込みだ。この14億円のうち移籍金が約12%を占めるが、これは毎年得られるものではない。ゆえに今の実力値は約12億円といったところだろう」と、一定の手応えをにじませた。

 クラブは新スタジアム建設計画に動き出しており、いわき市小名浜港の区域に建設予定であることを3月に発表。同社長は1月の時点で「ただスタジアムを建てるだけでは地域の振興に貢献しない。いわき市を始めとする浜通りが多くの人でにぎわう未来を創出する。その絵を描けないことには、スタジアムを建設する意義は見つからない」と記し、2031年の新スタジアム開場に向けたビジョンを明示した。

 いわきは、成績と収益の向上を背景に、地域に根差したスタジアム構想や持続可能な経営モデルの構築にも着手している。急成長の裏には、壮大なビジョンと地に足のついたマネジメントがある。

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