18位:東京ヴェルディ

【写真:Getty Images】
純資産(2024年度決算):5100万円
売り上げ高:36億8300万円
当期純利益:3400万円
東京ヴェルディは、2023年度決算で4億8300万円の債務超過に陥る深刻な財務状況にあったが、2024年末にこれを解消した。2024年度決算では純資産5100万円となり、プラスへと転じた。
長らくJ2に低迷していたヴェルディだが、2024シーズンに16年ぶりとなるJ1復帰を果たした。トップチームの人件費はリーグ最少の9億200万円にとどまったものの、期限付き移籍で加入したFW木村勇大や染野唯月ら若手の活躍もあり、最終順位は6位と大躍進。観客動員の増加により入場料収入も伸び、クラブには好循環が生まれている。
2025シーズンの新体制発表会見で、中村考昭社長は「7.9→11.2」という印象的な数字を掲げた。秒速7.9kmでは地球の引力と釣り合って軌道上を回る状態だが、11.2kmは地球の引力を振り切る脱出速度。この物理現象をクラブの現状に重ね合わせ、2025シーズンは「万有引力を振り切る前進」を目指すと当たった。
また、同会見では債務超過の解消についても言及。中村社長は、多額の債務超過という引力が外れたことで、「前を見て、全てのリソースを成長に向かって投入していける状態になった」と話し、経営再建から成長局面への移行に強い自信を見せた。
Jリーグ創設期を彩ったスター軍団は、2023年のJ1昇格、2024年の快進撃を経て、ようやく長い“冬”を越えた。上昇気流を確実に捉えることができれば、財務状況も劇的に好転する未来が見えてくる。