17位:福島ユナイテッドFC

【写真:Getty Images】
純資産(2024年度決算):4800万円
売り上げ高:5億2300万円
当期純利益:-1億6000万円
福島ユナイテッドFCは、2024年度決算の純資産が4800万円で、17位だ。
福島は2024年度の決算で当期純損失が1億6000万円となり、4年連続の赤字決算となった。2024年4月には臨時株主総会が開かれ、株式異動と経営刷新が実施された。
現在は寺部達朗・現代表取締役会長が筆頭株主となり、スポーツX株式会社が経営に参画し再建を進めている。3度にわたる第三者割当増資により、債務超過は回避しているが、依然として綱渡りの状態だ。
ピッチ上では2024シーズンにJ3でクラブ歴代トップタイの5位を記録し、成果が見え始めた。営業収入も過去最高の5億2300万円に達したが、試合関連費を中心に営業“費用”も6億8100万円と過去最高となった。
観客動員の低迷が最大の課題だ。これまでホームゲームにおける年間平均入場者数で2000人を超えたことはなく、収益構造の改善には集客力の強化が不可欠である。それでも2025シーズンここまでの平均は1945人と、クラブ記録更新ペースで推移しており、明るい兆しも見られる。
福島のスローガンは「カチを耕す」。運営法人AC福島ユナイテッドの鈴木勇人社長は2025年の出陣式で「攻撃的な福島スタイルで更なる多くの『カチ』を進化させ、J3優勝とJ2昇格を目指します」と語った。福島はJ3屈指の得点力を誇り、観客を魅了する姿勢がうかがえる。
また、4月の株主総会では福島市内への新スタジアム建設計画が明かされた。現在使用中の「とうほう・みんなのスタジアム」はJ2基準を満たさず、特例措置でライセンスが交付されている。将来を見据え、スタジアム整備は喫緊の課題だ。