13位:AC長野パルセイロ

【写真:Getty Images】
純資産(2024年度決算):4000万円
売り上げ高:8億7400万円
当期純利益:-1億2000万円
AC長野パルセイロは純資産が4000万円だが、当期純損失は1億2000万円に達し、3期連続の赤字を計上している。債務超過は回避しているものの、依然として厳しい財務状況が続く。
2024年度は入場料収入の増加などにより営業収益がクラブ史上最高の8億7400万円に達したが、営業費用も過去最高の9億9200万円に膨らみ、株式会社化以降で最大の赤字となった。
こうした状況を受け、クラブは立て直しに着手。2025年3月の株主総会で澁谷泰宏氏が代表取締役社長に就任し、4月の就任会見では「かなり厳しい状態だと認識しています」と率直に現状を語った。
その上で、「Jリーグのクラブライセンス判定期までに経営基盤をしっかり整えること、新たな角度からの営業活動やさまざまな工夫を通じて経営を安定させることが、私に課された最初の使命だと考えています」と述べた。
澁谷社長は富士ゼロックス・富士フイルムビジネスイノベーションジャパンで37年間にわたり法人営業を担当してきた人物で、スポーツ界では初の経営挑戦となる。公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル(SHC)の経営マネジメントプログラムを学んでおり、異業種で培った視点と経験をクラブ経営にどう生かせるかが注目される。
長野が財政再建を果たすには、既存の枠組みにとらわれない柔軟な発想と実行力が求められる。厳しい局面だからこそ、新たな風が転機となる可能性もある。