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Jリーグ 4か月前

今夏の移籍がおすすめ? Jリーグ、出場機会に飢える若者5人。成長できずに苦しむ男たち

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

FW:バスケス・バイロン


【写真:Getty Images】

生年月日:2000年5月16日(25歳)
所属クラブ:FC町田ゼルビア
リーグ成績:出場なし

FC町田ゼルビアのJ1昇格の立役者の一人だった男が、今季は厳しい立場に立たされている。

 現在25歳のバスケス・バイロンはチリ出身。青森山田高校3年時に全国高校サッカー選手権優勝を経験するなどインパクトを残し、卒業後はいわきFC(当時は東北1部)に加入した。

 その後、ウニベルシダ・カトリカ(チリ)への期限付き移籍を経て、2022年に東京ヴェルディに完全移籍。右サイドの主力としてJ2で躍動した。

 加入2年目となる2023シーズンもレギュラーとして出場を重ねていたが、夏に高校時代の恩師、黒田剛監督率いる町田に完全移籍することを発表。当時、ヴェルディと町田は激しいJ2優勝争いを展開しており、この決断は“禁断の移籍”として大きな話題となった。

 所属していたヴェルディのファン・サポーターから「裏切り者」の烙印を押されてしまった同選手だが、その声に押しつぶされることなく新天地でも実力を発揮し、リーグ戦16試合で1ゴール3アシストを記録。シーズン途中からの加入ではあったものの、町田のJ1昇格に大きな役割を果たした。

 J1で迎えた昨季は開幕から先発出場を重ねていたが、3月に「右長内転筋肉離れ」の負傷で離脱を余儀なくされると、復帰後はレギュラーに返り咲けず。今季はバイロンにとって復活を印象付けたい1年だったはずだが、ここまで公式戦2試合の出場にとどまっている。

 特に厳しいのが、リーグ戦の出場がないことだ。第24節終了時点でベンチ入り10試合、ベンチ外14試合とピッチ上の戦いに絡むことができていない。町田は2023シーズンから昨季にかけて[4-4-2]を基本布陣としていたが、今季は2シャドーを置く[3-4-2-1]に移行。サイドで輝くバイロンにとって、フィットするポジションが消滅してしまっている。チームのスタイル、戦術変更がない限り、現状打破は難しいかもしれない。

 選手として脂の乗った25歳という年齢を考えれば、今夏の移籍でプレースタイルに合った環境を求めるのは、妥当な選択肢といえる。

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