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Jリーグ 4か月前

今夏の移籍がおすすめ? Jリーグ、出場機会に飢える若者5人。成長できずに苦しむ男たち

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

DF:鈴木海音(すずき・かいと)

東京ヴェルディDF鈴木海音
【写真:編集部】

生年月日:2002年8月25日(22歳)
所属クラブ:東京ヴェルディ
今季リーグ成績:3試合0得点

 パリ・オリンピック(パリ五輪)サッカー日本代表が、思い描いた成長曲線を描けずにいる。

 ジュビロ磐田の下部組織出身の鈴木海音は、2020年に同クラブとプロ契約を締結。栃木SCへの期限付き移籍(2022シーズン)で経験を積み、2023シーズン、そして昨季と磐田の主力選手として活躍した。的確なポジショニング技術と空中戦の強さは、パリ世代の中でも頭ひとつ抜けている。

 そんな鈴木は世代別日本代表の常連でもある。2024年にはパリ五輪に臨むU-23代表に選出された。当初はバックアップメンバーだったが、大会ルールの変更や負傷者の発生によって正式メンバーに昇格。本大会では1試合に出場した。

 さらなる成長が期待される同選手は、今年1月に東京ヴェルディに完全移籍することを決断した。ヴェルディは、日本代表にも選出された綱島悠斗を筆頭に、CBの人材が豊富だったが、あえて厳しい環境に身を置くことで、さらなるレベルアップにつながると考えたのだろう。

 しかし、新天地のポジション争いでは完全に後塵を拝している。全コンペティション合わせて今季は8試合に出場。その合計出場時間はシーズン後半にしてわずか348分だ。

 同じくパリ五輪を戦った高井幸大は今夏の移籍市場でトッテナム・ホットスパー(イングランド)へのステップアップが決定。同選手は川崎フロンターレで定位置を確保し、その才能を開花させた。

 ポテンシャルを十分に発揮するチャンスが無い現状に、鈴木自身も危機感を抱いているはずだ。アスリート能力だけでなく経験がものをいうDFは、試合に出続けることが成長するために何よりも重要である。

 22歳のDFはこの逆境をどのように乗り越えるのか。その選択肢の一つとして、今夏の去就には注目だ。

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