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Jリーグ 4か月前

「ここでキャリアが決まる」苦悩する西野奨太が変わるきっかけ。亡き恩師と北海道コンサドーレ札幌の先輩の言葉【コラム】

シリーズ:コラム text by photo by Getty Images

「僕の苦しさを理解して…」訃報を聞き思い出す

 西野は試合直前のルーティンに1つ、所作を加えた。胸元の札幌のエンブレムを2度、叩いた後、左上に巻いた喪章にそっと右手を添え、静かに空を見上げたのだ。

「モリさんに向けてです。体調がよくないのは聞いていましたし、それでも僕らの試合をいつも見てくれていたとも聞いていたので。少しでも恩返しできればと思っていましたし、絶対に勝利を届けたかったので。自分を奮い立たせる意味も込めて、喪章に触れさせてもらいました」

 その2日前、北海道コンサドーレ札幌U-18で長年指揮をしてきた森下仁之氏の訃報が伝えられた。享年57歳。西野にとっては高校3年間を共に過ごした大切な恩師だった。

「訃報を聞いたとき、まず思い出したのは、自分がプロ入り後に苦しんで、ユースに戻って活動した時のことです。言葉数は少なかったけれど。僕の苦しさを理解して、自分にプレッシャーをかけないようにしてくれていたのが伝わっていました…その時のモリさんの温かさを真っ先に思い出しましたね」

 森下氏の教えは西野の胸にしっかりと刻まれている。

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