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明治安田J2リーグを主戦場とする選手にとって、J1クラブへの移籍はキャリアを飛躍させる大きなチャンスだ。だが、肝心なのは個人昇格を果たした“後”。移籍先で出場機会を得られなければ、かえってキャリアの後退を招くこともある。今回は、J2から個人昇格するもJ1クラブでほぼ使われなかった選手5人を紹介する。※データは『Transfermarkt』を参照
MF:杉山直宏(すぎやま・なおひろ)

【写真:Getty Images】
生年月日:1998年9月7日
移籍先:ロアッソ熊本→ガンバ大阪
移籍後リーグ戦成績:通算8試合0得点1アシスト
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在籍2シーズンの間にロアッソ熊本の絶対的な主力となった杉山直宏は、初のJ1挑戦の場としてガンバ大阪を選んだ。
しかし、移籍後は少ない出場機会の中で爪痕を残すことができず、わずか1シーズンで青黒のユニフォームに別れを告げている。
順天堂大学を卒業した杉山は、2021シーズン開幕前に、当時J3リーグ所属の熊本に加入。同シーズンにリーグ戦28試合で5得点3アシストをマークすると、翌2022シーズンにはJ2昇格を果たしたチームの中でさらに存在感を強め、リーグ戦全42試合で9得点5アシストを叩き出した。
J1複数クラブが、スピードと突破力を武器とする熊本のサイドアタッカーに注目したのは当然の帰結だった。
杉山は、なかでも獲得に熱心だったガンバへの加入を決意。開幕戦となった2023年2月18日のJ1第1節・柏レイソル戦(△ 2-2)では3トップの右ウイングとして先発出場を果たす。
しかし、以降はファン・アラーノにポジションを奪われ、同年5月14日のJ1第13節・浦和レッズ戦(● 1-3)を最後にリーグ戦出場はなし。
一度ピッチに立てば攻撃面で違いを生み出していたものの、守備面の貢献度やプレー判断の質で物足りなさが残ったのが痛かった。
結局、2024年2月にJ2所属のモンテディオ山形へ期限付き移籍したことで、杉山のJ1生活はわずか1年で終了してしまう。
ただ、2025シーズンはJ2で優勝争いに食い込むジェフユナイテッド千葉にて熊本時代の輝きを取り戻しかけており(16試合1得点0アシスト)、その才能を再び耀かせている。
ガンバで成功を掴めなかった理由は、杉山が誰よりも把握しているはず。千葉を2009シーズン以来となるJ1復帰に導き、再びトップカテゴリーでプレーする未来に期待したい。