「俺がサッカーしている姿は見ない方がいいんじゃないかって」
「もちろん不甲斐ない思いがあります。同時にここまでできるようになったという思いもあるのも正直な気持ちですが、選手としてはピッチ上で結果を示さないといけない。今年は4月の最後、少し試合に関われましたが、そこでまた調子が悪くなってしまった。あそこを上手く乗り越えていたら、良い波に乗れていたという手応えを掴めているところもありますし、いつまた状態が悪くなるか分からない難しさも感じています。今は状態が良くなっていますし、本当に1日1日ですね」
先を見据えても、自身の状態がどうなるかは分からない。それは深井自身が誰よりもわかっているのだろう。痛みの起きないステップワークを追求する傍ら、深井はその日の最善を追求し続けている。鳥栖戦の試合当日、メンバー外の選手たちを中心に行われた練習を見ても、誰よりもディテールに拘りプレーしている様子が明確に感じられた。
そんな深井にとって2025年は変化の年ともなっている。深井の誕生日でもある3月11日に息子が生まれたのだ。「本当に可愛いですね」と照れながら話すが、息子が物心つくまでプレーしている姿を見せたい気持ちはと問うと、らしい答えが返ってきた。
「ないです。ないです(笑)なんなら俺がサッカーしている姿は見ない方がいいんじゃないかって。変な影響を与えたくないんで(笑)ただ、サッカー選手というよりも、一人の男としてかっこいいお父さんでいたいとは思ってます」
かっこいいお父さんを目指す深井は、昨年の離脱時期を契機に、子供たちのサポートにも力を注ぎ、北海道のサッカー普及にも注力している。現在は札幌の2つの高校に2週に1度の割合で練習に参加するとともに、元札幌の内山裕貴が中心に展開するサッカースクールにも毎月、練習参加し、子供たちに自身の経験を伝えている。