「和樹くんの守備全般を見て吸収しました」
キレ味鋭いドリブルと加速力で左サイドを制圧。将棋に例えれば香車となって相手守備陣の脅威になり続けているのだ。それだけではない。第24節いわき戦では右サイドからのクロスをワントラップから右足を振り抜くファインゴールを決めた。
特に目を見張るほど成長したのがディフェンス面だ。「(田中)和樹くんの守備全般を見て吸収しました。迫力を出す守備、今までであれば寄せ切れなかったところを“もう1歩、もう半歩を寄せてみるとか、その意識を学んで、徐々に成功体験から掴んでいった感じです」とコメント。一番の変化は「チームのために走る犠牲心」だと言う。
しかし、出る杭を打つかのようにライバルチームはサイド攻撃を分析。千葉対策が進んでくると第16節ベガルタ仙台戦から7試合未勝利(3分け4敗)が続き、首位を水戸ホーリーホックに明け渡した。開幕6試合で17得点という最大火力を見せていたが、この勝てない時期は3得点と湿っていた。
「対戦相手は意図的にサイドにボールが入らないような工夫をしてきましたし、両サイドの対策は試合を重ねるごとにありました。ただ対策される中でも、もう少し何かできたのではという思いもあります」と胸の内を明かし「攻撃的なポジションでプレーしているので結果として前半は満足いく出来ではなかったと思います」と振り返った。
だが決してネガティブな要素ばかりではなかった。勝てない日々が続き悔しい思いを味わっていたが、そういう時こそ立ち振る舞いや光明を見出すことを大事にしている。