「“抜ける”という気持ちがあるだけで抜ける」
「自分が仕掛け始めたら自分の形になりますし、主導権を握って中も縦にもいける。間合いさえ間違えず、自分がミスしなければ抜けます。抜くことがゴールではありませんが、今は抜ける自信がありますし、プロとして勝負してきているので、その自信が大事だと思っています」と口にしつつ「気持ちじゃないんですけど“抜ける”という気持ちがあるだけで抜けるんです。シンプルですけど。今であれば対峙するディフェンダーが迷っている気がします」と続けた。
ここまでの活躍ぶりは、椿が自分自身と真剣に向き合い、体のケアやコンディショニングに対する取り組み方を変えたこと、実戦の中でフルパワーの出し方も分かったことに要因がある。また、プライベートでは2月に入籍を発表。
「そこはメチャクチャでかいです。食事もですが心身ともに。一人ではなく家族がいて支えてもらっているし、明らかに自分のプレーにつながっていると思います」とメンタル的な変化もパフォーマンスに影響を与えている。それが今シーズン、全試合出場(第24節時点)につながっているのだろう。
「今年のために、これまでの2シーズンがあったと思えるように、シーズンの残りも怪我なくプレーしていきたいですね」
椿に「一番嫌だと感じているディフェンダーはいるのか」と訊いてみるとチームメイトのDF髙橋壱晟の名前を挙げた。この2人が全体練習終了後、バチバチと火花を散らしながら1対1に汗を流す場面を何度も見てきたことを思うと何ら不思議ではなかった。切磋琢磨しながらハイレベルなプレーを継続した先に追い求める成長した姿がそこにある。